トルコリラのドルコスト平均法による投資法の検証と可能性を調べてみた!
ねぇ!ドルコスト平均法って知ってる?トルコリラの積立ならドルコスト平均法の方がいいんじゃない?
佑菜(Yuna)
そうだねぇ。定期的に決めたトルコリラ量を買う積立より、定期的に決めた金額でトルコリラを買うドルコスト平均法の方が安くトルコリラの保有量は増やせるかな。?ちょっと詳しく検証してみようか!
侑(Yuu)
ドルコスト平均法って何?
ドルコスト平均法は積立投資の一つの方法です。定期的に購入金額を決めて買付ける積立方法です。決めた金額で購入するので、価格が下がった時には多く買えます。反対に価格が上がった時は少ししか買えません。価格が上がる時にはあまり買えず、価格が下がった時はたくさん買えるという事は、購入単価を押し下げる効果があります。相場の価格変動の将来を予測できないという考えが前提になっています。
・定量購入・・・・定期的に購入量を決めて、相場レートに関係なく買付ける方法
・ドルコスト平均法・・・・定期的に購入金額を決めて、相場レートから買い付ける方法
トルコリラのドルコスト平均法購入のメリット
・購入単価を下げることが出来る
・レンジ相場、ボックス相場で効果が期待できる。
トルコリラのドルコスト平均法購入のデメリット
・目標購入量が有る時は、目標到達の期間を計算できない
・一括購入より小口で何回も買うため手数料が増える
・価格が一方的に下がる商品の場合は、損失を増やす可能性がある。
では過去のトルコリラの為替レートから検証してみようと思います。
トルコリラ投資法:「ドルコスト平均法」
「トルコリラ・ドルコスト平均法」の運用ルール
毎年1月1日に50万円でトルコリラをレバレッジ1倍でその時の為替レートで購入し、保有し続ける。
メリット
・相場の見通しを考えなくてもよい。
・買いで入ることでスワップポイント収入がある。
・自然と投資元本が積みあがる。
・レバレツジ1倍でロスカットの心配がない。
デメリツト
・相場が一方的に下落した場合、損失の先送りになる
・短期で大きく儲けることが出来ない。目標保有高まで時間がかかる。
・レバレッジを掛けない分、資金効率が悪い。
・毎年、定量を購入するので、目標とするトルコリラ保有量を達成するまでの期間を計算できない
検証の前提条件
1.トルコリラ1万通貨のスワップポイントを1日90円に設定
2.取引単位は1000通貨単位
3.検証期間は2007年1月1日から2017年12月31日
では計算してみましょう!
計算1:毎年1月1日の始値で資金50万円(レバレッジ1倍)でトルコリラの購入。その時トルコリラの買える量を計算。
年 | 始値 | 購入量 |
2007 | 84.62 | 5,000 |
2008 | 95.45 | 5,000 |
2009 | 58.86 | 8,000 |
2010 | 62.07 | 8,000 |
2011 | 52.66 | 9,000 |
2012 | 40.88 | 12,000 |
2013 | 48.65 | 10,000 |
2014 | 48.95 | 10,000 |
2015 | 51.33 | 9,000 |
2016 | 41.28 | 12,000 |
2017 | 33.10 | 15,000 |
計算2:2017年12月31日の終値からトルコリラの年度別のポジションの為替損益を計算
ポジション | 終了値 | 為替損益 |
2007 | 29.64 | ▲274,900 |
2008 | ▲329,050 | |
2009 | ▲233,760 | |
2010 | ▲259,440 | |
2011 | ▲207,180 | |
2012 | ▲134,880 | |
2013 | ▲190,100 | |
2014 | ▲193,100 | |
2015 | ▲195,210 | |
2016 | ▲139,680 | |
2017 | ▲51,900 |
計算3:2017年3月31日までの年度別ポジション保有期間とスワップポイント金額
年 | ポジション 保有期間 |
スワップ ポイント |
2007 | 11年 | 180,670 |
2008 | 10年 | 164,250 |
2009 | 9年 | 236,520 |
2010 | 8年 | 210,240 |
2011 | 7年 | 206,955 |
2012 | 6年 | 236,520 |
2013 | 5年 | 164,250 |
2014 | 4年 | 131,400 |
2015 | 3年 | 88,695 |
2016 | 2年 | 78,840 |
2017 | 1年 | 49,275 |
計算4:為替差損とスワップポイント益を足して、その年の合計損益を計算
ポジション | 合計利益 |
2007 | ▲94,225 |
2008 | ▲164,800 |
2009 | 2,760 |
2010 | ▲49,200 |
2011 | ▲225 |
2012 | 101,640 |
2013 | ▲25,850 |
2014 | ▲61,700 |
2015 | ▲106,515 |
2016 | ▲60,840 |
2017 | ▲2,625 |
投資結果判定:「トルコリラドルコスト平均法」
2007年から2017年の11年間のトルコリラの為替レートから検証してみると、2勝9敗という結果です。11年間の累計損益は▲461,580でした。トルコリラの累計購入高は10万3千トルコリラになります。10万3千トルコリラの1日のスワップポイントは1万トルコリラあたり90円と仮定すると927円になります。1か月30日で27,810円です。
11年間の総投資額は5,500,000円になります。総投資額に対して8.4%の損失です。
まとまめますと
・総投資額(入金額・購入額): 5,500,000円
・トルコリラ保有数 :103,000トルコリラ
・為替差益 :▲2,209,200円
・スワップ益 : 1,747,620円
・為替差益+スワップ益 : ▲461,580円
検証を始めた時のトルコリラの始値は84.62トルコリラでした。検証の終了した時の為レートは29.64トルコリラです。11年でトルコリラは54.98円下落しました。率にして65.0%の下落です。一括投資なら65.0%の損失を出しました。ドルコスト平均法では損失は8.4%で収まってます。ここにドルコスト平均法のメリットが生かされています。
トルコリラのドルコスト平均法の可能性を考える
検証結果はマイナスの結果におわりました。しかし「トルコリラトルコスト平均法」に可能性はないのでしょうか?
トルコリラ積立投資法の記事でも検証したと同じ方法で、2018年からドルコスト平均法で投資を開始したらどうなるかを計算してみようと思います。ドルコスト平均法も上昇トレンド相場、レンジトレンド相場では利益を出せる可能性があります。
この検証のポイントはトルコリラが27.98円からスタートすることです。27.98円は2018年の始値の実績値です。つまり下落幅は最大27円まで計算します。
つまり下落しても27円しか動かないボックス相場ということです。
ルール、前提条件は先ほどの検証と同じです。違うのはスタートするトルコリラの為替レートと為替レートが毎年3円下落するという仮定です。
では計算してみましょう!
2018年開始トルコリラのドルコスト平均法
計算1:資金50万円でのトルコリラ購入量
年 | 始値 | 購入量 |
2018 | 27.98 | 17,000 |
2019 | 24.98 | 20,000 |
2020 | 21.98 | 22,000 |
2021 | 18.98 | 26,000 |
2022 | 15.98 | 31,000 |
2023 | 12.98 | 38,000 |
2024 | 9.98 | 50,000 |
2025 | 6.98 | 71,000 |
2026 | 3.98 | 125,000 |
2027 | 0.98 | 510,000 |
計算2:2027年の終値からトルコリラの年度別のポジションの為替損益を計算
ポジション | 終了値 | 為替損益 |
2018 | 0.98 | ▲459,000 |
2019 | ▲480,000 | |
2020 | ▲462,000 | |
2021 | ▲468,000 | |
2022 | ▲465,000 | |
2023 | ▲456,000 | |
2024 | ▲450,000 | |
2025 | ▲426,000 | |
2026 | ▲375,000 | |
2027※ | 0※ |
※2027年のポジション損益は始値0.98円が2027年の終値と変わらなかったとして計算。1円を下回った為。
計算3:年度別ポジション保有期間とスワップポイント金額
年 | ポジション 保有期間 |
スワップ ポイント |
2018 | 10年 | 558,450 |
2019 | 9年 | 591,300 |
2020 | 8年 | 578,160 |
2021 | 7年 | 597,870 |
2022 | 6年 | 611,010 |
2023 | 5年 | 624,150 |
2024 | 4年 | 657,000 |
2025 | 3年 | 699,705 |
2026 | 2年 | 821,250 |
2027 | 1年 | 1,675,350 |
「2018年開始トルコリラ・ドルコスト平均法」の検証をまとめ
ここで2018年開始トルコリラ積立投資法の損益詳細をまとめてみました。
・総投資額(入金額・購入額): 5,000,000円
・トルコリラ保有数 : 910,000トルコリラ
・為替差益 :▲4,041,000円
・スワップ益 : 7,414,245円
・為替差益+スワップ益 : 3,373,245円
トルコリラのドルコスト平均法では、トルコリラの為替レートが下がるほど、当然購入量が増加していきます。トルコリラが下がったときにもルールどおりに買い続けていくことで、相場レートの下落をスワップポイント収入でカバーすることが出来ます。
現実にはトルコリラが1円まで落ちる事はないでしょう。絶対は投資の世界にはありませんが、トルコ共和国は経済的にはGDP世界17位、OECD(経済協力開発機構)の加盟国です。軍事的にはNATO(北大西洋条約機構)に加盟しています。そのような国の通貨が現実に1円になる事を心配するのはさすがにムリがあると考えます。
・トルコリラが安くなっている為、投資額が少なくてすむ
・トルコリラが30円を切っているため、下落が想定出来る
・下落でもルールどおり買い続ける勇気が必要
ここにトルコリラのドルコスト平均法の可能性があります
トルコリラを毎年ドルコスト平均法で積立てたらどうなるかを過去の為替レートから検証、今後の為替レートからトルコリラ積立投資法の可能性を考えてみました。
侑(Yuu)
今回の記事の関連データ(クリツクすると別記事が開きます)
・トルコの政治、歴史について
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・トルコの貿易収支、対GDP比について
・トルコ共和国の格付けの推移について
・トルコリラの積立投資について